瘢痕・ケロイド
瘢痕・瘢痕拘縮
皮膚に残る傷跡(きずあと)を一般に「瘢痕」と呼びます。瘢痕の原因は、やけど、交通事故、転倒などさまざまな外傷が主なものですが、手術によっても瘢痕が残ります。通常の治癒過程では、瘢痕は白く平らな傷として治りますが、時には、赤く盛り上がって肥厚性瘢痕(あるいは瘢痕ケロイド)となります。また、顔面・頚部・手指や手・足の関節に生じた瘢痕により目や口が開きにくかったり(閉瞼・開口障害)、手足が動かしにくかったり(関節運動の不自由)することがあります。これらは瘢痕拘縮と呼ばれ、植皮術による拘縮の解除手術や外科的な切除術等が機能回復に必要となります。
http://www.jsprs.or.jp/member/disease/scar/scar_01.html
(日本形成外科学会HP「形成外科が扱う疾患」へリンク)
ケロイド
瘢痕が傷跡の範囲を超えて、通常の皮膚より盛り上がり、赤みとかゆみや痛みなどをともなう腫瘤状の隆起になるとケロイドと呼ばれます(瘢痕ケロイド)。なお、瘢痕ケロイドは傷の直りが長引くと起こりやすいのですが、大きな原因が無く発症するケロイド(真性ケロイド)もあります。一般にケロイドは、体質的な素因も原因の一つとなっており、再発の可能性もあり、治療に難渋することも多いです。 当科では症例によって、ケロイドの切除後に当院放射線科と協働して電子線照射による再発予防を行っています。
http://www.jsprs.or.jp/member/disease/scar/scar_04.html
(日本形成外科学会HP「形成外科が扱う疾患」へリンク)
術前の上腕のケロイド
術後・放射線加療後
*写真の掲載をご快諾頂きました患者様には感謝申しあげます。