リンパ浮腫
九州大学病院形成外科は九州圏内でも数少ない、リンパ浮腫の外科的治療を積極的に行っている施設です。
乳がんや子宮がんあるいは腋窩・鼠径部の悪性腫瘍切除に合わせてリンパ節郭清を行ったために、リンパ液の還流が悪くなり、四肢にリンパ液が貯留し、浮腫に陥った病態です。
また、生まれつきリンパ管の発育が悪く、浮腫を生じる場合もあります。
当科では、リンパ浮腫外来と連携し保存療法を行ない、保存療法のみでは十分な効果がみられない症例に対して、顕微鏡を用いてリンパ管細静脈吻合術(Lymphaticovenular anastomosis:LVA)を行っています。
LVA施行後も保存療法を継続的に行うことで、浮腫の改善だけでなく、浮腫に伴う自覚症状(皮膚の硬さ、だるさなど)、炎症の軽減などの効果を認めています。
鼠径部や胸腔、後腹膜腔などに生じる難治性のリンパ漏に対してもリンパ管細静脈吻合術を行っており、良好な成績を得ています。また、保存的治療やリンパ管細静脈吻合術では改善しないリンパ浮腫の方には、リンパ節移植術を導入する予定です。
http://www.jsprs.or.jp/member/disease/other/other_19.html
(日本形成外科学会HP「形成外科が扱う疾患」リンパ浮腫へリンク)
治療前
治療後
吻合したリンパ管と静脈